こんにちは!イラストレーターのうさみ みのり(@usawhip15)と申します。
今回はハトアラが生まれたきっかけや作品に込めた想いについて書いていこうと思います。
※後半に進むにつれ、少し暗く重い内容になっていきますので苦手な方はブラウザバックをお勧めします。
憧れがすべての始まり
話は2015年 春まで遡るのですが、当時の私はとあるゲームにハマってました。
自分でマイキャラと言われるオリジナルキャラクターを作って、着替えさせて、歌って踊らせるそんな作品です。
特に設定が何もなかった私のマイキャラ、普通に可愛がってはいたのですが、とあるフォロワーさんが名前や性格などの設定を作っていわゆる創作活動をしていたのを見て「私もそういうのやりたい!」と憧れたのが始まりでした。
因みにその時のマイキャラ、名前は違いますが今でいうところのゆみるです。
それから2年ほど、あくまでそのゲームを舞台としたマイキャラとして小説(60話くらいあったはず…)を書いていたのですが、ある日急に「自分の作品として活躍させたい!」と思い始めそれを派生させました。それが今のハトアラだったのです。
音楽×心の病というテーマ
そのゲームがアイドル物だったので、ハトアラも最初はアイドルとしてのサクセスストーリーって感じの予定でした。
でもなんか違う、そんな明るくキラキラした物語は私には合ってない!と思い(実際の芸能界は明るくないのですが、他のアニメの影響で私にはそんな先入観がありました苦笑)
そこから、私が一番好きな戦うヒーローヒロインものに生まれ変わりました。
そして、音楽×心の病というテーマで再スタートすることになったのです。
元々私が生まれつき障害持ちで、心が疲れやすいという体質でもあり、好きな音楽に救われた経験は何度もあるのでそれを物語に生かしたい!と思ったのです。(障害のことを書いたブログはこちら)(良かったら読んでみてくださいね)
明るく楽しく元気づけられる音楽だったり、悲しげな歌詞に共感できる切ない音楽だったり、人々はさまざまな音楽で頑張ろう!と前を向く力を与えられてきたと思うのです。
そんな風にゆみるたちが救世主として、言葉や音楽で傷ついた人々を心の闇から救い出すそんな物語にしたいと思いました。
なので、医者がメインテーマで音楽要素を少し足すくらいでも良かったのですが、かつて存在したアイドル要素を活かせないかと思い、白衣ではなくアイドルのようなきらびやかな衣装で戦うスタイルとなりました。
この物語を通じて知ってほしいこと
ハトアラは本来ただただ優しい物語でした。
言い方を変えると、甘い物語だったのかもしれません。
前回の記事でハトアラは簡単に言うと、男の子も変身するプ○キュアだけど、人が死ぬ描写があるので子供向けではないと書きました。
でも最初からそうじゃなかったんです!
当初は日曜に放送できそうなお話をテーマに、悪にやられた人々は夢や感情を失ったり、眠りにつくだけで死にはしない。「でもそんなのって死んだように生きてるだけだ!」と反発するゆみるたちが悪と戦うという物語でした。
でも、それじゃあなんか甘いし生ぬるいな。現実味がないな。と思いました。
ならば、いっそ思い切って死なせちゃおう!と思い、今のスタイルになりました。
なので、元々眠りにつくだけだったキャラクターが死んでしまう設定に変わってしまったのは心苦しいところはありました……。
でも、ゆみるたちには本気で命をかけて戦って欲しかったのです。
実は物語序盤のゆみるは自分が役に立つならやりたい!と単純な気持ちでリヒトを始めるのですが、中盤で自分たちリヒトがたくさんの人々の生死を左右する重要な存在であることを知り、その責任がどれほど重く、10代の少年少女にとっていかに過酷なことか気づいてしまうのです。
自殺者急増が問題となるこの世の中で、命の尊さや重みをこの物語を通じて知ってほしいと思いました。
因みにゆみるの母は病弱な設定だったりします。なので、ゆみるは命に関することに人一倍敏感な子なのです。
10代の子供たちに荷が重すぎる話だとは思うのですが、青春とか恋愛とか受験とか色々と楽しみしたい頑張りたいそんな年頃の子たち戦うのだからこそ良いと思うのです。
個人的に「もっと普通の生活を送りたかった」っていうセリフを言わせるのも好きです。
だって、まだまだこれから沢山の輝かしい未来が待っている子供たちが必死にもがき苦しみながら前に進むからこそぐっと来るものってあると思うのですよ!
これが人生経験豊富な大人が戦ったところで個人的には面白くないと思うのですよね……。
どうしたらいいかわからない!でも今、目の前の壁に全力で立ち向かう!それができるのは若者の特権だと思います。
だからと言って、常にシリアスなのではなく、時に明るく楽しく青春を謳歌し、時に壁にぶつかってそして乗り越えてほしいという気持ちです。
なので、シリアスとギャグを上手く混ぜ込めたら良いなぁとは思ってます………できるかな(汗)
ハトアラに込めた想い
人々の生死が、命がと言ってきましたが、ハトアラに登場する敵キャラ ザラムはリヒト以外の人物には精神攻撃しかしないのです。(リヒトとの肉弾戦はあります)
ターゲットとなる人間の弱みにつけこみ、あくまで心を傷つけるだけで自殺はそのターゲット自身による物なのです。あくまできっかけでしかないのです。
今のこの世の中も似たようなものですよね。
コロナが原因でうつ病など、精神的な症状が出た方、たくさんいらっしゃるらしいですね……。
中には自殺も多いのではないのでしょうか……。
家にいなきゃいけないストレスだったり、コロナと疑われてパワハラ・モラハラを受ける方も多いと聞きました。(これはコロナ禍以前からの問題ですが…)
そういったパワハラやモラハラをする人の気持ちは分かりません。でも、私は初めからの悪というか、根っからの悪人なんていないと思っています。
みんな何かしらに傷ついて苦しんで、魔が刺すものの自力で止めるほどの力も、周りに止める人もいなかったから、結果的にそうなってしまったんだ、と思っています。
哀しい生き物だなんて言いたくはないのですが、心が脆かったんだなとは思います。
そんな風になりやすい世の中だからこそ、心の病やトゲトゲした悪い気持ちから人を救うこの物語で見てくださる方々の心までも救えたらいいなと思うのです。
そんな風にできるほど簡単じゃないのはわかってますが、そうなってほしいなと思うのが今の私の願いです。